筋肉痛が続く・
筋力が落ちたと感じる方
⇒筋肉痛が続く・筋力が落ちたと感じる方は、リウマチ性多発筋痛症、皮膚筋炎/多発性筋炎、血管炎の疑いや、飲み薬が原因の可能性があります。
リウマチ性多発筋痛症
(りうまちせいたはつきんつうしょう)
寝返りをうつのも難しいほど強い痛みが現れたり発熱、体重減少が起こったりする疾患です。急に肩や首、背中、太ももの筋肉が痛くなるのを特徴としています。「リウマチ性」と疾患名に付いているように、リウマチに似ているのですが、筋肉を中心に痛くなる多発筋痛症の疾患です。高齢者に多く見られるので、五十肩としっかり見極めることが重要です。見分けるポイントは下記の通りです。
- 血液検査を受けた結果、炎症の数値(CRP)が高かった
- 関節エコー検査を受けた結果、肩や腱の炎症が発見された
リウマチ性多発筋痛症は、ステロイドが著効します。実際に、肩の痛みがひどくて寝返りもうてなかった患者様の中には、治療を開始してからおよそ2~3日経つと痛みが落ち着いて楽になる方もいらっしゃいます。
皮膚筋炎(ひふきんえん)/
多発性筋炎(たはつせいきんえん)
筋肉や皮膚などを、免疫細胞が攻撃してしまう疾患です。膠原病の一種で、首や二の腕、太ももといった、身体の中心部に近い筋肉が痛くなったり筋力低下を起こしたりします。筋肉の症状に加えて、手の甲や膝、肘、目の周り、首の周りに赤い発疹ができるタイプは「皮膚筋炎」といいます。血液検査を行うと、筋肉の炎症の数値であるCKが高く出たり、抗ARS抗体などの免疫異常物質が発見されたりします。また、免疫細胞が肺を攻撃する「間質性肺炎」を合併するリスクも高く、悪性腫瘍の合併リスクも少なくありません。筋電図や筋生検などは入院して検査が必要になるため、当院では入院が必要と判断した場合は、全身の検査が受けられる高度医療機関をご紹介させていただきます。また、当院には膠原病の治療に長く従事してきた専門医が在籍しており、退院後の外来でのフォローにも対応していますので、お気軽にご相談ください。
血管炎(けっかんえん)
免疫細胞が血管の壁を攻撃してしまう疾患で、膠原病の一つとされています。血管は全身をくまなく走っている管ですので、どの血管で炎症が生じるのかによって、現れる症状も異なります。例えば、足の血管に炎症が生じると、筋肉や神経に栄養が届かなくなるため、太ももやふくらはぎに筋肉痛や痺れが生じます。また血管の位置や太さに応じて、長引く発熱やリベドー(網目状のアザ)、咳、体重減少、息切れ、こめかみや頭皮の痛み、心筋梗塞、脳梗塞などの症状がみられます。
さらに、血液検査でMPO-ANCA、PR3-ANCAなどの免疫物質が出る患者様もいれば、好酸球が増加する方、尿蛋白を伴っている方など、現れる症状は患者様それぞれです。
全身の血管を調べる検査が必要ですので、入院しながら治療を受けるケースがほとんどです。そのため、血管炎の疑いがあると判断した場合は、全身の検査が受けられる高度医療機関をご紹介させていただきます。また、当院には膠原病の治療に長く従事してきた専門医が在籍しております。退院後の外来でのフォローにも対応していますので、お気軽にご相談ください。
飲み薬
薬の中には、副作用として筋肉痛が現れる可能性があります。抗生剤や睡眠薬、痛風薬、脂質異常症の薬などが該当します。ほとんどの薬は飲み始めてから1週間ぐらい経つと、身体が慣れるので自然と落ち着くこともよくあります。ただし、一週間副作用が続いていたり、筋肉痛がだんだんひどくなったりした場合は、服用を一旦止めて当院へご相談ください。