手や手首がパンパンに
腫れている方
このページを読んでいる方には、「手首が腫れて曲げられない」「手をつくと手首が痛くなる」「手をひねると痛む」などのお悩みで困っている方もいるのではないでしょうか。 手首を使う動き(ゴルフなど)をしていないのにもかかわらず手首が腫れた場合は、リウマチなどの疾患が疑われます。手首の腫れでお悩みの方はぜひ、このページを参考にしてみてください。
手首が腫れる病気
⇒関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症などの膠原病疾患、乾癬性関節炎(乾癬=かんせん)の疑いがあります。
関節リウマチ
関節リウマチは30~50歳前後の女性に多く見られる疾患で、発症すると手や足が腫れて痛くなります。特に、手首の腫れはリウマチの初期症状として最も見られる症状です。下記に、関節リウマチの疑いのある手首の腫れ症状についてまとめましたで、チェックしてみましょう。
- 左右の手首をそれぞれ比べる
リウマチによって腫れた手首は、やや赤みを帯びながら膨らんだ見た目になります。反対の手首と比較して、赤みや膨らみがないかチェックしてみてください。 本来、手首の皮膚には横シワがいくつか入っているのですが、手首が腫れるとその横シワが入らなくなります。また手首の全体が膨らむため、元々あった手首のへこみや出っ張りも見えにくくなります。シワの有無もぜひチェックしましょう。 - 両手を合わせて手首を曲げる
腫れた手首は、健康な頃の手首よりも曲げることが難しくなります。お祈りするポーズや、それを逆さにした逆お祈りポーズをとると、左右の手首の曲げにくさを比較することが可能です。これらのポーズを取って、手首の腫れを発見してみましょう。 - 手首を軽く押す
腫れているかもしれない手首を反対側の手指で挟み、軽く押してみましょう。押した時に痛くなったり、ブヨブヨと柔らかく腫れたりしているのを感じた場合は、リウマチの可能性が高いです。
リウマチ性多発筋痛症
免疫細胞が攻撃することで、手首が腫れて痛くなる疾患です。リウマチと似ているのですが、リウマチ性多発筋痛症の場合は手首の腫れだけでなく、首や肩、腰などの筋肉痛も伴います。特に肩の筋肉痛が多く見られ、「ある日突然両腕が上がらなくなった」「服が脱ぎ着しにくい」「寝返りを打てない」「椅子から立ち上がるのが大変」と訴えて受診される方も少なくありません。治療はステロイドが著効します。
乾癬性関節炎(かんせんせい かんせつえん)
皮膚に湿疹が現れる乾癬(かんせん)を発症している患者様の中には、手や足の腫れで痛くなることがあります。この状態を「乾癬性関節炎」と呼びます。
リウマチと似た疾患で、皮膚を攻撃していた免疫細胞が手足の関節も攻撃しはじめ、痛みや腫れを起こします。治療法ですが、リウマチと同じ「メトトレキサート」がよく処方されます。飲み薬を使い続けても改善されない場合は、リウマチの治療薬としても使われる生物学的製剤「アダリムマブ」「シムジア」や、乾癬の治療薬として用いられる生物学的製剤「コセンティクス」などを活用します。これらの薬を使って手足の腫れ・痛みを落ち着かせ、湿疹もなくしていきます。
膠原病(こうげんびょう)
関節に加えて、免疫細胞が全身を攻撃してしまう疾患を「膠原病(こうげんびょう)」といいます。代表的な疾患は関節リウマチですが、関節リウマチ以外でも手首が腫れることがあります。その中でもシェーグレン症候群は、手首の腫れや痛みなどの症状だけでなく、ドライアイやドライマウスといった乾燥症状が特徴です。肺や腎臓、脳、神経などに症状が現れることもあります。当院では膠原病の治療に長く従事してきた専門医が在籍しておりますので、お気軽にご相談ください。